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電子書籍の衝撃

   


iPadの予約、孫さんと佐々木さんの光の道対談を経た今、ようやく佐々木俊尚さんの『電子書籍の衝撃』の感想です。
Twitter上で、『電子書籍の衝撃』が電子本で110円で買えるという情報につられ、すかさずダウンロードして読みました。発熱と喉の痛みが酷い風邪にかかっていて寝込んでいたときでした。

電子本をダウンロードする体験自体が初めて。手順に戸惑いましたが、

Discover21社のビューワーをiPhoneにダウンロードし、Discover21社のオンラインショップにて本を購入すると、iPhoneのDiscover21ビューワー上に本が現れるという仕組みでした。
(現在は単体書籍アプリとしてもダウンロードできるようです)

熱で苦しんでいましたが、ノートPCを使い横になった状態で本が買えて、あっという間に読めるようになったことにびっくり。iPhoneに立ち上がった初めての電子本にわくわくしました。

紙の色を模したようなクリーム色の背景にきれいなフォントの印字は視認性がよく落ち着きがあって読みやすい。iPhoneのフリッカー操作と本アプリは相性ぴったりで、指でパラパラとページをすばやくめくれる。iPhoneを片手に持ち、持った手の指でページめくりできるので、病床でも苦にならず読め、あっという間に読了しました。佐々木さんのいう「本のアンビエント化(いつでも、空気のように存在している、、)」を体験してしまったのです。

電子書籍の衝撃を電子本という形で初体験できたこと、その仕掛けの上手さにやられてしまいました。なんでも、ダウンロード初日はシステムトラブルに見舞われ大変だったとか。前向きに乗り越えられた関係者の様子がTogetterの佐々木俊尚さん「電子書籍の衝撃」ダウンロード販売でサーバーダウンでまとめられています。

さて、本の内容ですが、
まずは第4章で本をめぐる出版社と出版取次ぎの関係を明らかにしたことが本書の大きな意義でしょう。実は電子書籍化の動きは日本では大変長く、10年以上も検討が行われています。にも関わらず電子本の流通が行われていなかったのは、著作権に関する関係者の利権問題が解決できなかったことと、中抜きができない出版業界事情があり、誰も解決できなかった(リーダーシップを発揮して大鉈を振るうことができない)のです。

本を印刷するだけならば50-100万円でできるのですが、出版社が本を「ニセ金」的に取り次ぎへ供託している古い慣習があるため、無名な個人では出版社も編集者も着けることができず、仮についても取次ぎ側で拒否され、市場に流通させることができない。現在のレガシーな出版システムでは、著者は内容の是非すら市場へ気軽に問うことができないというハードルの高さがあります。

黒船AppleのiPhone/iPadやAmazon Kindleが実現した電子本流通の仕組みは、誰でも著者になり電子本を流通させることができます。佐々木さんは、セルフパブリッシング時代には著者と編集者/出版社とのかかわりも変化し、元来出版社が担っていたプロモーションも、ソーシャルの力で変わっていくことを指摘しています。
確かに、誰でもブログを書くことができるように、ある程度まとまったボリュームの文章を電子本の形にすることはできるでしょう。その内容が有益かどうか、今までは出版社のマーケティングがないと本の存在を知ることは難しかったのが、Amazonの書評やTwitterの伝播性で、誰かにとって有益なものならば評価され広まって行くようになると思います。出版社=編集者のような小さな形で著者のエージェントとなり、力のある著者ならば書く内容に応じてエージェントを選ぶような時代になっていくのかも知れませんね。

紙の本がなくなるとは思えませんが、印刷にどうしてもコストがかかる写真を多様する料理本や旅行ガイドのようなものは、コストの安い電子本にぴったりだなと思います。

iPad予約が始まり、もうすぐ日本でも発売されようとする今、電子本の形はトラディショナルなテキストベースのページめくりモノだけでなく、アクセスのしやすさとカラフルさ、動画や音楽などのマルチメディア性、ネット接続によるアップデートのしやすさを統合した新しい形態のコンテンツが出てくるのではないかと期待しています。

佐々木さんの『電子書籍の衝撃』は電子本というスタイルが出版業界だけでなく、私たちの読書スタイルや本という情報の消費変化について示唆し考える機会をいち早く与えてくれました。

電子本のプラットホームがどうやら日本製ではなくなりそうなのは残念には思いますが、出版業界を変えるようなリーダーシップを誰も発揮できなかったのですから仕方がありません。それよりも、誰でもコンテンツで勝負できるいい時代がきたなと思っています。

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Comment

  1. RT @sasakitoshinao: すごく同意。>「電子本のプラットホームがどうやら日本製ではなくなりそうなのは残念には思いますが、出版業界を変えるようなリーダーシップを誰も発揮できなかったのですから仕方がありません」 電子書籍の衝撃 | 心はいつもAirPucci http://bit.ly/9rFne2

  2. 薄墨 桜 より:

    RT @sasakitoshinao: すごく同意。>「電子本のプラットホームがどうやら日本製ではなくなりそうなのは残念には思いますが、出版業界を変えるようなリーダーシップを誰も発揮できなかったのですから仕方がありません」 電子書籍の衝撃 | 心はいつもAirPucci http://bit.ly/9rFne2

  3. 大久保博志 より:

    RT @sasakitoshinao すごく同意。>「電子本のプラットホームがどうやら日本製ではなくなりそうなのは残念には思いますが、出版業界を変えるようなリーダーシップを誰も発揮できなかっ 電子書籍の衝撃 | 心はいつもAirPucci http://bit.ly/9rFne2

  4. ふむむ。 RT @sasakitoshinao: すごく同意。>「電子本のプラットホームがどうやら日本製ではなくなりそうなのは残念には思いますが、出版業界を変えるようなリーダーシップを誰も発揮できなかったのですから仕方がありません」http://bit.ly/9rFne2

  5. RT @sasakitoshinao: すごく同意。>「電子本のプラットホームがどうやら日本製ではなくなりそうなのは残念には思いますが、出版業界を変えるようなリーダーシップを誰も発揮できなかったのですから仕方がありません」 電子書籍の衝撃 | 心はいつもAirPucci http://bit.ly/9rFne2

  6. RT @sasakitoshinao 電子本のプラットホームが日本製ではなくなりそうなのは残念には思いますが、業界を変えるようなリーダーシップを発揮できなかったのですから仕方がありません」電子書籍の衝撃 | 心はいつもAirPucci http://bit.ly/9rFne2

  7. RT @sasakitoshinao すごく同意。>電子本のプラットホームがどうやら日本製ではなくなりそうなのは残念には思いますが、出版業界を変えるようなリーダーシップを誰も発揮できな… 電子書籍の衝撃 | 心はいつもAirPucci http://bit.ly/9rFne2

  8. akirahigeta より:

    RT @sasakitoshinao: すごく同意。>「電子本のプラットホームがどうやら日本製ではなくなりそうなのは残念には思いますが、出版業界を変えるようなリーダーシップを誰も発揮できなかったのですから仕方がありません」 電子書籍の衝撃http://bit.ly/9rFne2

  9. RT @sasakitoshinao: すごく同意。>「電子本のプラットホームがどうやら日本製ではなくなりそうなのは残念には思いますが、出版業界を変えるようなリーダーシップを誰も発揮できなかったのですから仕方がありません」 電子書籍の衝撃 | 心はいつもAirPucci http://bit.ly/9rFne2

  10. […] 5/18のアクセスが500人ほど。えらく急増しました。 電子書籍の衝撃の感想文の文章「電子本のプラットホームがどうやら日本製ではなくなりそうなのは残念には思いますが、出版業界を […]

  11. […] ・日本はもう成熟国になった。かつてのような大きな成長は望めない。それは他の西側先進国もおそらく同様だ。 ・日本の成長を支えたものづくりは熟練した職人工にあったのは事実。それは手先が器用でまじめな日本人の特性であり、他の国に対する大きな差別化ポイントだと思っていたけど、そうではなかった。日本人だろうと何人だろうと、人はまじめに取り組めば技能を習熟していくものだ。フラット化してしまった世界の中でモノ作りで暮らすには、技以外のプラスαが必要なのだろう。 ・GDP(≒国内でのモノの生産や消費)が伸びないからといって不幸なわけではない。むしろモノもインフラも既に充足していて幸せに感じる(少なくとも大きな不便は感じない)のは成熟国家ならでは。 ・一方で、高度経済成長期の日本がそうであったように、中国やインドのようなGDP成長国を見ていると、彼らの消費は先進国として生きるための消費に見える。そう、マズローの要求レベル2のレイヤーにいる人達のようだ。洗濯機、冷蔵庫、エアコン、携帯、車、人よりも美しく着飾るモノを彼らは欲している。成熟国に住む私たちにはあえて緊急に買い換える必要がないモノばかり。 ・モノが充足した成熟国家に住む私たちが欲しいと思うものは何だろう?私たちの生活インフラが充足されマズローの要求レベル3以上にいるとするなら、何を必要とし、何を世界に提供できるのだろう?今までの技術と経験の蓄積、反省点すら資産のはずだ。世界には解決すべき問題が沢山ある。野口さんのいた「きぼう」から地球を眺める気分で視点を高く持ち上げ、世界を俯瞰してみれば、新しい課題が見えてくる。 ・インフラを必要とする国は沢山あり、私たちのインフラも改良していく必要がある。エネルギーシステム、交通システム、通信システム、水道システム。クリーンで環境負荷の低いもの、途上国では最高を最初からが望まれている。 ・モノが不要な成熟国でiPadが売れたのは大きなヒントだ。iPadはPCの起動の遅さという不便を解消するというよりは、ワイヤレスでくつろいだ姿勢でも使えるスタイル、直感的なインターフェースでストレスがなく使い方を夢想できる楽しさを与えてくれた。Appleが提供したのはiPadという美しいモノおよびソフトが選べるiTunesStoreというサービスがセットになったexperienceだ。開発環境と課金プラットホームで開発者を取り込むエコシステムも作った。電子書籍に関する議論が日本中で巻き起こり、私の姪(中1)の学習スタイルを変えた。技術的にはタッチパネルを全面利用した程度で大きな発展はないのに、私たちのスタイルを変化させるinnovativeな製品だった。 ・世界には問題が沢山あり、気づいていない何かを解決できるなら、成熟国でもニーズは作れる。洞察力が足りないのか?気づいて提案し実現し改良すればよい。なぜ踏み出せないのだろう?やはり日本に今足りないのはグローバル時代のリーダーシップだけのような気がする。 […]

  12. […] 佐々木俊尚さん(@sasakitoshinao)にtweetしていただいたこの記事 ・電子書籍の衝撃 […]

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