「志高く」孫さんの自伝その1
2013/10/27
孫さんの自伝「志高く」は、2004年に発行後、2008年に再発行されたもの。ソフトバンク社は2006年にボーダーフォン買収という大きな決断をしている。その経緯も再取材で書き加えられている。
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”「デジタル情報革命」前夜”とされた前書きが孫さんによって新しく書かれている。GWに読んだときは前書き飛ばしてしまったので実は今読んだけど、これだけでも興味深い。概要はこうだ。
『トランジスタ数集積率の向上速度を今から十数年前に計算してみたが、現在ほぼそのとおりになっている。
コンピューター中のワンチップ中トランジスタ数が人間の脳細胞数(300億個)を超えるのが2018年。そこからさらに増え、30年後には現在の100万倍になる計算だ。人間の脳細胞数をはるかに超える能力がワンチップに入る。携帯電話の中にスポッと入る。つまり「デジタル情報革命は」始まったばかり。今から100万倍になる。』
孫さんは1990年初めごろにこのような計算をし、果てしなく力を得る情報技術世界の未来を思い描いていたのだ。
私はその頃何をしていたかな。
香港やシンガポールにできた海外子会社の人たちと必死にシステム開発していました。日本のフロントに立って海外と渡り合う夢がかなって楽しい時期でした。同じ年齢の現地の人たちと一緒に仕事するのは本当に楽しかった。でも、初等教育から英語だった彼らに、自国言語を尊重しない民族意識の欠落のような違和感を感じると同時に、教育に力を入れている彼らとの横並びの日がいつかくるかもしれないという恐れを感じていた。
多くの日本人はバブルの余韻にまだ浮かれていた頃だと思う。
このまま楽しくいけると根拠なく思っていた人は沢山いたように感じる。けれども、未来への大きな夢を描いている人はどれだけいたのかわからない。
孫さんの1月のtweetを思い出した。
「光の道」対談にもでてきた日本全国光ファイバー自論も、弱いとされているソフトバンクモバイルのインフラ強化のためと見る向きもある。
けれども、2025年頃には2010年の100万倍のコンピューティングパワーの世界になると1990年代に予見していた人ならば、「そんなセコイ理由じゃない」と主張していた孫さんの気持ちが理解できる。
光の道対談にあった、真剣さは本当に未来を想い未来に向かう今に生きる人のことを考えた思いだったのだと。
「男は賢いばかりじゃダメなんです。 愚直なまでに掘り下げていかないと男は大きくなれん。」
大きく物事を捉え、遥か未来のあるべき姿を見、まい進する。力強いリーダーシップで。
なぜそのような人物になるのだろう。
ちなみに、私の答え。結構なさけない。。
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