心はいつもAirPucci (空元気でもいいから)

毎日がPucciを着ているような気分

人によって異なる。放射線に対するリスクの捉え方。

   


最も関心の高い事項なのに、物理学者は生体メカニズムを理解しておらず、医療向け放射線治療の医師は、空気中に低量放射線/放射性物質がある状態ではなく、あくまでも自分たちの専門分野、一回当たりの放射線照射(放射性物質ではない)による人体影響にしか言及できず、煮え切らない答えしか見つからない。

そもそも空気中に低量放射線/放射性物質がある状態が人体にどう影響を及ぼすのかなんて、調べることはできない。実験するわけにはいかないもの。

なので、チェルノブイリの例が一番参考になりそうで探していたのですが、実際にチェルノブイリで5年間被曝医療にかかわった医師、長崎大学大学院の山下俊一・医歯薬学総合研究科長のお話が一番信頼できそうです。

山下医師の結論から言うと、「内部被曝に関しては放射性ヨウ素のみに注意すればよい、他は基準値内ならば人体に影響がないと考えてよい」というもの。
(内部被曝および外部被曝の考え方は別途まとめてみたい)

この基準値なるものの曖昧さも不安がられるものの一つ。でも、放射線が損傷するのはDNAである点および個体差があるものを母集団として考えること、そもそも実験等で証明することができない問題であること、以上の理由で、どうしても曖昧なものになってしまう。

一酸化炭素や青酸カリのような毒物は確実に細胞を殺す。呼吸回路を一酸化炭素や青酸カリが確実に阻害するからだ。物質の量が増えると阻害する呼吸回路数も正比例で増える。よって致死量が計算できる。

しかし、放射線が損傷するDNAには自己修復機能がある。放射線がなくても、ストレス等でDNA損傷は常に生体内で起きており、自己修復も常になされている。仮に自己修復に失敗、DNA損傷から細胞の異常に進行しても、細胞自体が代謝されて消えたり、免疫系の自己修復機能が働いたりして、傷ついた細胞は生体から取り除かれる。

・DNAの損傷は常に起きており、原因は放射線だけなく、紫外線、ストレス等多岐にわたり、損傷理由を特定しづらい
・DNAの自己修復力には個人差がある
・細胞の代謝、免疫系の活性にも個人差がある

以上の特性から、一般の毒物のような致死量を放射線の場合は算出しづらそうだ。
なので、一度に放射線を浴び、多くの人で自己修復力を超えると(過去の事故や戦争で)経験的に分かっている値、多くの人で問題がなかったと観察された値しか提示することができないのだろう。

そして、さらに厄介なのが、
「リスクの許容度は人によって違う」という事。実際に発病するかどうかとは別問題で、空気中の放射線量が少しでも増えれば「嫌だ」と思う人もいる。そのようなリスクを小さく取りたい人にとっては一般的に問題ないといわれている値でも多いに問題のある値となるのだ。

DNA損傷の原因は放射線に加えタバコやストレスの総和的なもの。個体差がある以上、自分でどこまでリスクを許容するかを決め、自分で判断し行動するしかない。

・一度に7000mSv以上の放射線を浴びると死亡
・一度に200mSv以下の放射線を浴びた事で病気の発現は観察されていない
・放射線技師の被曝上限は20mSv/yearとして勧告されている(これを空気中に低量放射線がある状態に換算してリファレンスとするのは議論の余地があるが、2.28μSv/hに相当する)
・東京の放射線量は、福島第1原発の事故以前は0.05μSv/hであり、世界的に見て非常に低い(ローマは0.25μSv/h)

以上の値を参考に、自分の基準値をもつのが一番納得できるのでは?

気温や湿度の感じ方が人によって違うように、私たちは自分で基準値を決めそれに応じた服装や行動をとる。食品添加物や食品の賞味期限は健康に害がないとされているものでも、自分の基準値を決め、消費行動をしている人はいる。
これらと同じ事。

仮に全く同じ条件下にいても、個体差がある以上、あなたとわたし、同時期に同じ病気になったり、絶対な健康が保証されるわけでもないのだから。

 - Thinking ,

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